どうやら次の週末は雨模様。折角の行楽シーズンなのに、雨だとどうしても外出するのを躊躇してしまいます。でもっ! そんなときは宇治市植物公園に来てみては如何でしょう? いまなら、面白い展示会と、一年を通してトロピカルムード満載の観賞温室を、傘を差さずに楽しむことができます。
さてその展示会ですが、名前は『繊維作物展』。10月18日(火)から始まりました(最終日は11月3日)。繊維作物とは糸を紡いだり、布を織ったり、紙を漉いたりするための原料が採れる作物を指します。
誰でも知っているのは「ワタ」(注:カタカナで記すとそれは植物を示し、「綿」と漢字で記すと採れた繊維や製品・加工物を指す)。ワタの仲間には様々な種・系統があり、そこから採れる「綿」もその種・系統によって性質が異なります。当展示会では様々なワタを展示すると同時に、触ってその違いを楽しめるよう「綿」を用意しています。是非様々な「綿」を触っていただいて、その違いを実感してください。またワタ果実から糸や布になるまでの工程を、実物を交えて展示したコーナーもあります。
でも繊維作物は「ワタ」だけではありません。「麻」と呼ばれる繊維を採る植物群を展示しています。 通気性に優れるので夏の衣料に使われていたり、その一方で太綱などにも使われています。このなかで一見の価値ある展示品は「アサ(のレプリカ)」。法律によって所持・栽培が厳しく制限されているため、見る機会の少ない植物ですが、このたびレプリカをお借りし、展示することができました。
紙を作るための原料を採る植物も、立派な「繊維作物」です。展示品の一部は実際に触っていただけますので、その手触り感を楽しんでいただきたいと思います。
世界最古の紙とも言われる(注;諸説あり)、カミカヤツリのパピルスを展示しています。
綿や麻、そして紙の原料となる繊維作物以外にも、繊維を採るのに様々な植物が利用されています。葛布や芭蕉布、そしてタケを加工して得られた繊維製品もその実物を展示しています。
期間中は随時「繊維作物クイズ」を開催しています。全問正解するとワタのタネをプレゼントしていますので、是非チャレンジしてください。また22・23日は『紙漉き体験』、29・30日は『コットンボールから糸を紡いで布作り』、11月3日は『ワタの種子や和紙を顕微鏡で観察しよう』を行います。詳細は宇治市植物公園(TEL0774-39-9387)までお問い合わせ下さい。(ゑびすや)